A.いくつかの理由が考えられますので、以下を参考に作戦を立てましょう。
よくあるのが毒餌(アリ殺し)を使ったけれど「アリが寄ってくる様子がない」や「食べているけど依然として出現し、効果が感じられない」という相談です。これは「アリの習性」と「毒餌の性質」を理解しておけば落ち着いて対処できます。以下に「ありがちなこと」と「考えられる原因・対処法」を記載します。
1-1.一週間ほど様子を見る
筆者も入社してすぐの頃は「毒餌を置いたらすぐ食べに来る」と考えたものでしたが、「アリがなかなか食べに来ない」ということは珍しくありません。その原因は不明ながら「天気が悪い・気温が低い」ため「アリの活動が鈍っている」などと推察されます。よって「毒餌を仕掛けてからアリが食べに来るまで」は一週間ほどかかると理解し、しばらく様子を見ると良いでしょう。
1-2.仕掛ける場所をずらす
しかし、待てど暮らせどアリが食べに来ない場合は毒餌の配置場所に問題があると考えられます。この場合、アリが行列を作っているところや巣穴の横に配置し直してみましょう。「行列や巣穴が見つからない」時は「建物の壁際に沿って」や「入口の横」など、「アリの動線が直線になって予測しやすい場所」や「来られると困る場所」へ配置する考え方もあるでしょう。
1-3.毒餌の種類を替えてみる
それでも毒餌を食べてくれない場合、「そのアリたちが好むような毒餌ではない」という可能性があります。この場合は「別記事」で記載している通り「ジェル状の毒餌から顆粒状の毒餌へ変えてみる」などの工夫をするとよいでしょう。
2-1.効果が出るまで時間がかかる
毒餌は、アリの習性を利用して「巣の中にいる他のアリも巻き添えにすること」と「働きアリを次々と生み出す女王アリを討ち取ること」が最大の目的です。そのために「毒餌を食べたアリ」が「他のアリ」に毒餌を分け与えるまでは効果が出ないよう効きが遅めに調整されています。よって、アリが毒餌に群がってから巣全体が崩壊するまでは多少のタイムラグが発生します。筆者の経験ですが、毒餌に群がって来てからおよそ1週間から10日ほどかかります。
2-2.少々古い毒餌でも大丈夫
よくいただくご質問に「去年購入した毒餌は、まだ使えますか?」というものがあり、これについては「使用できます」が答えです。ただし「アリが好んで食べるものを配合している」ため、高温環境に放置すると「餌となる成分の劣化により食いつきが悪くなる」恐れはあります。そのため「使わない時は冷暗所で保管する」など管理方法だけはご注意下さい。
3-1.毒餌に寄り付きにくくなっている
スプレー式殺虫剤のほぼ全てに言えることですが、これらは散布した場所にしばらく虫を近寄せにくくする「忌避効果」を持ちます。よって毒餌を配置した場所で使用してしまうと、アリが「毒餌に近寄って来ない」、「毒餌を食べない」、そして「効果が出ない」という悪影響を与えます。スプレー式殺虫剤は瞬時に虫を駆除できるため、ついついアリにも乱射しがちですが毒餌を配置した場所へは使用しないよう注意が必要です。
3-2.忌避効果の持続は1ヶ月程度
あくまで室内実験からの推測ですが、スプレー式殺虫剤の忌避効果が持続するのは1ヶ月程度と考えられます。現実には太陽光線に含まれる紫外線による殺虫成分の分解、また雨水による流出もあるため、野外では持続期間がもう少し短くなるでしょう。既に「格好の毒餌配置ポイント」にスプレー式殺虫剤を噴霧してしまった場合は時間の経過に頼るか、洗い流せる場所なら散水ホースで軽く洗い流しましょう。
以上、アリの毒餌を使用している時にありがちなことを解説しましたが、それに関連する内容を同じ「アリ類カテゴリーの記事」にまとめていますので、併せてご覧いただければと思います。それ以外にも不明な点があれば、弊社までメール・お電話いだければと思います。