A. まず外で出来る対策と中で出来る対策とに分けて考えてみましょう。
昨今はコロナ禍で建物の換気が推奨されており、飲食店や事務所、病院など 特に人の出入りが多い施設で「窓を少し開けている」のをよく見かけます。 その結果、「建物の中に小さな虫が飛んで入りやすくなる」ことが懸念され、 また既にそのような被害に悩んでいる方もおられるでしょう。 では、その対策をどう立てるべきか?「外から虫が侵入する前の対処」と 「屋内に侵入した虫への対処」の2つに分けて考えてみましょう。
1-1. 自動殺虫器の使用
まずオフィスビルや病院、ホテルのエントランスのように「人の出入りが 多い場所」、さらにスーパーマーケットや工場の搬入口などの「開口部が 大きくて解放されている時間も長い場所」を想定しましょう。この場合は 殺虫剤を噴霧し続けることで「虫を近くに寄せ付けにくくする効果」と 「その場にとどまり続けようとする虫を即効的に殺虫する効果」を持つ 自動殺虫器がお勧めです。出入口に「殺虫剤のカーテン・バリア」を張る イメージです。
なお、このような自動殺虫器はいくつか種類があり「どれが一番効果が よいか?」と質問を受けることがあります。 筆者の感覚ですが、極端に効果が異なるとは思えないため、使い勝手で 選ぶのもよいでしょう。例えばタイマー機能を使えば「12時間作動・ 12時間休止するもの」と「15時間作動・9時間休止するもの」の2つでは、 それぞれ現場の営業時間などに合った方を選択すればよいです。他には 大きさ・デザインなども判断材料になります。
1-2. トラップを用いて捕獲する
トラップは「虫をおびき寄せる性質」を持つため、例えば「入口の近くに 設置しない」などの注意は必要なものの「捕獲した分だけ屋内へ侵入する 虫を減らすこと」が期待されます。
一般に虫は光に集まる習性を持つので、「虫が好む光で誘引・捕獲する トラップのうち屋外使用できるもの」がよいでしょう。 また、イエバエ・クロバエのような「腐敗臭に誘引される虫」の場合は 「独特のにおいでおびき寄せて捕獲するトラップ」が良いでしょう。 ※ヒメイエバエには効果が薄い点にご注意願います。
1-3. 外壁や窓ガラスに殺虫剤を散布する
飛んできた虫が、そのまま扉や窓の隙間から屋内へ侵入することも当然 あります。一方で、一度建物の外壁や窓ガラス、網戸にとまり、その後 サッシの隙間から入ってくるケースもあります。そこで虫が飛来しそうな 場所へあらかじめ殺虫剤を散布し、侵入直前に駆除する作戦もあります。
一般に「虫が光に集まる習性を持つこと」を考慮すれば、夜間に外灯の 光が当たる壁面、室内照明の光が漏れるガラスや窓辺の壁面が殺虫剤を 散布しておきたい場所でしょう。 外壁へ散布する殺虫剤の候補は「色々な虫に効き、殺虫剤のにおいが しない殺虫剤」が挙げられます。窓ガラスやサッシには「窓ガラスを 曇らせず、美観を保ちつつ殺虫効果を発揮する殺虫剤」がお勧めです。
2-1. 屋内で使える自動殺虫器を設置する
病院やホテル、スーパーマーケットといった施設には前室があると思います。 ここに屋内用の自動殺虫器を設置すれば、前室に侵入した虫をその場で駆除し、 その先のエリアへの到達を阻止できます。加えて「虫たちが飛来しにくくなる 効果」も持つため、虫の侵入そのものを減らす効果もあります。
なお、これは「設置場所の周りに殺虫剤の成分を充満させること」で効果を 発揮します。そのため殺虫剤の成分が拡散してしまう屋外には不向きであり、 また、食品が陳列されているような場所も避ける必要があります。
2-2. インテリア性のあるトラップを活用する
屋外のケースと同様、建物の中へ侵入した虫をトラップで捕獲する作戦です。 屋内を想定すれば「においを放つトラップ」は不適であり、「虫が好む光を 出して誘引・捕獲するトラップ」が無難でしょう。 そこに「防虫対策の商品には見えないインテリア性のある見た目」であれば なお良いでしょう。
ただし「虫が好む光を放つ」ため、例えばその光が屋内からガラス越しに 外へ漏れてしまえば、余計に虫を建物周りに引き寄せる結果にもなります。 加えて「食品を陳列している場所」や「調理場の至近距離」に設置すると 「捕獲される前に食品へ混入するリスクが高まる」ことも注意が必要です。
2-3. スプレー式の殺虫剤で直接駆除する
目の前に虫が出没し、ただちに駆除する必要がある場合はスプレー式の 殺虫剤で速やかに駆除しなければなりません。ところがこのスプレー式 殺虫剤は種類が多くて何を選べばいいか迷うことがあります。 室内で使用することを考えれば、「殺虫成分を使用していないもの」や 「有効成分の安全性が高く(蚊取り線香レベル)、べたつきが残らない スプレー」などが非常に使いやすいでしょう。
注意点として、スプレー式の殺虫剤は、そのほとんどが火気厳禁です。 つまり台所や暖房器具の周りでは使用を避けるか、火種が消えている のを確認してから使用し、また使用後に換気をするなどしましょう。 また、自動車や閉め切った部屋の中など、高温になりがちな場所での 保管も避けましょう。
以上、換気をしている時に起こりがちな虫の問題と対策について記載 しました。もし他にも何か不明な点があれば弊社までメール・お電話 いただければと思います。