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ネズミの忌避剤の選び方

Q.ネズミの忌避剤は何を選べばよいでしょうか?

A.まず使用目的を整理しましょう。その上でどんな商品があるか解説します。

目的に応じて3タイプあると考える

 ネズミの忌避剤といえばスプレータイプの商品、煙を出す商品、他には見た目がカレーのルゥのような固形剤、あるいはゼリー状のもの、ニオイ袋など実に様々な種類があります。これらは使用目的により瞬間的に追い出す、追い出した後に近寄せない、齧られないようにする、の3タイプに大別されます。今回はそれぞれのラインナップやメリット・デメリットについて解説します。

1.瞬間的に追い出すもの

広範囲に有効で、においがさほど残らない

 ネズミが嫌うハッカやハーブのニオイを利用したものが多く、それらを大量の煙に乗せて充満させる煙タイプのものや手軽に噴射できるスプレータイプのものが中心です。いずれも遠くまで、かつ隅々までニオイ成分が行き渡るため、天井裏や床下など広範囲を対象とする場合に便利です。加えてニオイが消えて無くなるのも早く、使用後しばらく経つと不快な思いをしないことも利点です。

スプレータイプの商品の一例

効果が一時的である点に注意

 ただし、ニオイが消えて無くなるのが早いことより、効果の持続期間は1日か2日程度です。よって定期的に使用する、あるいは追い出した後に侵入経路を封鎖するなどの作業を併せなければ一時的な効果で終わる点が短所です。 また、煙タイプのものは使用前に火災報知器を養生する必要があることにも注意が必要です。

2.長期間追い出す・近寄せないもの

一度置きさえすれば、効果が長持ちする

 袋に入ったものや固形剤のもの、ゼリー状のものが大体ここに属します。ハッカやワサビ、その他ネズミが嫌がるニオイをゆっくりと放出し、設置した場所からネズミが逃げていく、そして帰ってこないという効果が得られます。つまり先ほどの煙タイプやスプレータイプに比べ、効果が長持ちすることが 違いであり、プロが信頼して使用するものもあります。特に天井裏や床下といった、ネズミが居つきやすい場所での使用が効果的です。

強烈なにおいでネズミをノックアウトするJJローデント

においが残り続けることに注意

 常時ニオイを出し続けるため、場合によってはニオイが気になることがあります。また、他の物へのニオイ移り(特に食品や衣類)が懸念されることから、食品やお店の商品の近くに設置しづらいケースもあります。ただし設置した忌避剤を撤去すれば、次第にニオイは薄まっていき、やがて消えて無くなります。

3.齧られないようにするもの

追い出しではなく防御目的で使用される

 スプレータイプのものやプラスチック容器に入った塗料タイプのものがあります。配線など齧られると困るものを守る目的で使用されるため、どちらかと言えば主に設備点検などを行う設備業者や害虫駆除業者が使うことが多いです。他にはネズミの侵入経路を塞いだ後に、齧られて再び穴を開けられないようにする補強の目的で利用されることもあります。

ネズミに齧られた配線

当然、追い出しや侵入防止、住み着き防止には使えない

 言うまでもありませんが、噴霧したり塗り付けたとしてもネズミの追い出しや侵入防止、住み着き防止の効果は期待できません。

番外:外に撒きたい場合は?

犬よけ、猫よけと同じ要領で考える

 工場や倉庫といった場所でありがちですが、「外から建物内にネズミが入って来るのを防ぎたい」という時は砂粒状で地面にばら撒いて使用する忌避剤が推奨されます。注意点として「屋外ではにおいが拡散しやすいこと」、そのため「しっかり撒く必要があること」、その結果「すぐ近くに住宅があるとクレームになる恐れがあること」が挙げられます。

目立たない色をしているので、撒いてもさほど気にならない

判断に迷ったら弊社スタッフまで

 以上、ネズミの避剤の選び方について解説しましたが、もう少し踏み込んだ説明やにおいの程度など、疑問点があれば弊社スタッフまでお問い合わせ下さい。お問い合わせはメール・電話で受け付けておりますので、お気軽にご相談下さい。