A.何で困っているかによります、まずは状況を整理しましょう。
アリに関するご相談を大きく分けると「数匹見かける程度であるが、気になる」や 「家の中に巣をしている」、他には「家の外から入ってくる」、そして「羽アリが 飛んで来る」の4パターンです。今回はそれらに応じた「解決方法」や「効果的な 殺虫剤」について解説します。
1-1.スプレー剤などで速やかに駆除
「気が付いたら家の上に床にアリがいた」や「庭先にアリが数匹まいる」などの 状況が該当します。詳しい原因は分かりませんが、恐らく餌を探しているアリが 偶然やって来たのだと思います。この場合は難しく考えずスプレー式の殺虫剤で 駆除してしまえばよいでしょう。
1-2.だらだら続くようなら液体の殺虫剤
しかし「気が付いたら再びアリが出現し、いちいち殺虫剤で駆除するのが面倒」 という声もあります。それなら主に屋外用途ですが「殺虫剤を散布した場所」に 「アリがしばらく歩き回る」ことで殺虫できるものを散布しておきましょう。 パウダー状や砂粒状の殺虫剤を使用しても良いですが、散布しやすさや見た目を 考慮すれば、液体タイプがお勧めかなと思います。
1-3. 毒餌(アリ殺し)は使わなくてもいいの?
判断が難しいところですが、毒餌はたくさんのアリによって巣へ持ち帰らせ、 それが女王アリにも食料として献上されることで「巣もろとも駆除」します。 そのため「たまに数匹のアリが来る」程度では巣の最深部にいる女王にまで 届くほどの量が持ち帰られるのか疑問で、効果が浅いかもしれません。 どうしてもという場合は、アリの後を追うなどして巣の位置を割り出して、 そこに毒餌を設置するのがよいでしょう。
2-1.巣ごと駆除する「毒餌(アリ殺し)」の出番
アリが「窓のサッシ周り」や「畳の下」、「床下」から出てくるという場合は 屋内に巣をしていると判断します。 詳しくは「毒餌に関する別記事」で解説しますが、このように巣ごと駆除する 必要がある時は毒餌が最も効果的です。 アリの毒餌には様々な種類があり、「別の記事」で選び方をご紹介しますが、 一般家庭の場合はジェル状の毒餌でよいと思います。
2-2.時には隙間埋めで切り抜けることも
ただし「アリが出てくるのがお風呂場」など毒餌を配置しづらい場所があります。 他にも「部屋の壁の隙間から出てくる」ものの「小さい子供がいるので毒餌が敬遠 される」といったシチュエーションもあるでしょう。 このケースはパテなどでアリの出入口を埋めるしかなく、その後アリの行動範囲が 家の外周りや床下へ変わっていれば、そこに毒餌を配置します。 あるいは駆除業者さんにお願いして壁の中に殺虫剤を注入施工してもらいましょう。
2-3.建材を食べている訳ではないが、掘り進むことはある
なお、時々アリが出入りしている隙間から木屑などが落ちてきますが、彼らには シロアリのような「木を食べる能力」はありません。 しかし「建材が腐ったりして脆くなった部分を掘り進んで巣を広げる」や大型の アリの場合「木材をカリカリ齧って削る」恐れもあります。 なので、ただちに建物へ悪影響を及ぼすものではありませんが、機会を見つけて 駆除しておいた方がよいでしょう。
3-1.この場合も巣ごと駆除する「毒餌」の出番
「台所の窓や勝手口からアリの行列が伸びている」そして「調味料の棚にある 砂糖瓶の中に入り込んでいる」などが典型的な例です。 この場合、餌を求めて家の中へ侵入していると判断され、毒餌が最も本領を 発揮する場面です。 アリの行列の横、またはアリが群がっている餌を外に出しておき、その周りを 囲むように毒餌を配置するなどしておきます。
3-2.外だとアリ専用の液体殺虫剤も効果的
液体の殺虫剤の中でアリ用のものは「撒いたところに触れさせて効く」のではなく 「撒いたところをアリに舐めさせて殺虫成分を体内に吸収」させます。 いい加減な例えですが「広範囲へばら撒くことのできる毒餌」と言えるでしょう。 外にいるアリが多く、かつ工場の敷地のような広範囲へ散らばっている場合には このような選択肢もあります。
4-1.液体の殺虫剤かスプレー式の殺虫剤を選択する
詳細は別記事に譲りますが、年に2~3回羽アリが建物の近辺へ飛んできます。 これらは光におびき寄せられる習性を持つため、夜間に常夜灯のある玄関周りや 窓ガラスに飛来するのです。 そこで、彼らが飛来しやすい場所へ殺虫剤を噴霧しておくとよいでしょう。
4-2.明かりに照らされる外壁へは液体の殺虫剤
「外灯の光に照らされる外壁」や「窓の光が漏れるベランダ周り」へは液体の 殺虫剤を散布し、飛来してきた羽アリを片っ端から駆除します。 なお、アリも含め「虫を寄せ付けにくくする商品」も世の中にはありますが、 この羽アリの飛来に対しては効果がほとんど期待できないと思います。
4-3.窓ガラスにはガラス専用のスプレー式の殺虫剤
窓ガラスへは「窓ガラス専用の殺虫剤」を散布し、飛んできた羽アリをその都度 駆除していきましょう。 別に液体状の殺虫剤や普通のスプレー式殺虫剤を使用しても悪くないのですが、 「ガラスが曇る」や「べたつきが残る」という点では控えたいものです。
以上、アリの駆除方法についてアウトラインを解説しましたが、より詳しいことは 同じ「アリ類カテゴリーの記事」にまとめていますので、併せてご覧下さい。 それ以外にも不明な点があれば、弊社までメール・お電話いだければと思います。 お話を伺いながら一緒に対策を考えさせていただきますので、お気軽にどうぞ。