A.飛んでくる場所へ殺虫剤を散布しつつ、飛来した羽アリには殺虫剤を直接噴霧して駆除する
羽アリとは、そのアリの巣の中で誕生した「次世代を担う新女王と雄アリ」で、 人に例えると「親元を離れる子供」のようなものと思って下さい。 これら羽アリたちは、元いた巣から一斉に飛び立って新天地を目指すと同時に 飛翔中に交尾を行うため、そのことからこれを「結婚飛翔」と呼びます。 なお、アリの繁殖期は年に1度であり、羽アリはこの時期だけ姿を現します。
1-1.夜に出現しやすく光へ集まる
羽アリの結婚飛翔は夕方から始まることが多く、また光に集まる習性を持ちます。 ということは、夜になると外灯周りの壁や窓ガラスといった光に照らされている 場所へ飛んでくることが多いです。 コンビニエンスストアのようなガラス張りの店舗では、あちこちに飛来します。
1-2.しばらく経つと勝手にいなくなる
「結婚飛翔」というロマンチックな名前とは裏腹に、巣から大量の羽アリが 飛び立つため、立地条件によってはおびただしい数の羽アリが押し寄せます。 そういった事情から見た目の不快感が問題となるものの、一週間ほど経つと 発生は自然と終息します。
1-3.年に3~4回遭遇することになる
冒頭で「アリの繁殖期は年に1回だけ」なので「羽アリの出現期も年に1回」と 書きましたが、「アリの種類によって繁殖期が異なる」ことに注意が必要です。 つまり羽アリを「初夏に出す」か「真夏に飛ばす」、または「秋に放つ」かは アリの種類次第なので、結果的に何度か羽アリと対峙する羽目になります。 参考ですが、筆者が住んでいる大阪では6~8月の間に1回か2回、黒い羽アリが 出現し、9月にオレンジ色っぽいキイロシリアゲアリの羽アリが1回出ます。 地域によっては10月の下旬にサクラアリと呼ばれるこげ茶色の小さな羽アリが 発生し、弊社にも時折り同定(種類の鑑定のこと)の依頼が届きます。
2-1.飛んでくる場所への殺虫剤施工
夜間に光が目立つ場所へ事前に殺虫剤を散布し、飛来した羽アリを片っ端から 駆除する作戦がよいでしょう。 戸建ての家ではベランダや玄関の常夜灯周りの壁、アパートだと廊下や階段へ 「液体の殺虫剤」、窓ガラスへは「窓ガラス用殺虫剤」を噴霧しておきます。 なお「羽アリがいつ飛んでくるか」を予測するのは非常に難しく、「飛んで 来てから対策を取り始める」しかありません。 ただし「毎年梅雨前に飛んできて困る」など出現時季が分かっている場合は その情報を元に前もって殺虫剤を散布しておきます。
2-2.緊急時にはスプレー式の殺虫剤
羽アリが「ベランダや玄関周りをうろついている」や「部屋に侵入した」場合、 スプレー式の殺虫剤で駆除しておきます。 何を使っても良いですが、屋内では噴霧後にべたつきが残らず、安全性がより 高いものがお勧めです。 また、洗濯物に付着している羽アリには、殺虫成分不使用のものを利用すると よいでしょう。 なお、殺虫剤の商社にいる人間の言うことではないですが、数匹程度であれば 「つまんで外へ逃がす」でも良いです、人を刺すなどの悪さはしませんので。
3-1.毒餌(アリ殺し)はほぼ効かない
アリの駆除と言えば「毒餌(アリ殺し)」の使用を連想しますが、これはアリに 食べさせることで効果を発揮するものです。 ところが筆者の知る限りでは、毒餌に興味を示した羽アリはこれまで見たことが 無く、また同業者から「効果を発揮した」という話を聞いたこともありません。
3-2.ライトコントロールでも苦戦する
防虫対策に明るい方であれば、「虫の好む光をカットする蛍光灯を使用する」や 「防虫フィルムを窓に貼る」といったライトコントロールを思いつくでしょう。 しかし、なぜか羽アリにはその効果が薄く、しばしば飛来を許してしまいます。
以上、羽アリの対策について記載しましたが、他にも不明な点がございましたら 弊社スタッフまでご相談いただければと思います。 お問い合わせはメール・お電話で受け付けておりますので、ご都合のつきやすい 方法でどうぞ。