虫のプロが害虫の駆除方法、殺虫剤の使い方をご紹介
プロだから知っている虫と殺虫剤のノウハウ

整理しながら考える 一般住宅のゴキブリ対策

 一般住宅の方からご相談が多い「黒くて大きなゴキブリ」のことをクロゴキブリと呼びます。本来は病気(感染症)を媒介することが問題なのですが、一般には気持ちが悪い・怖いといった声が大勢を占めているようです。そのため駆除方法を知りたいという声もたくさん寄せられています。そこで今回はクロゴキブリを退治するためのコツや考え方を整理しながら解説します。

1. まずは家の中から取り掛かる

1-1. ゴキブリが寄り付きにくい環境づくり

 はじめに、クロゴキブリが人の家に住み着く理由は何でしょうか。天井裏や床下、家具と壁の隙間など外敵の目につかない場所が多い、快適な室温に保たれているなどでしょう。加えて餌や水があること、これが大きな魅力です。餌になるものとは具体的にまず人が食べる物、次に調理の後に残る生ゴミ、あとはペットフードなどと理解しておけばよいでしょう。これらをゴキブリの手が届かないようにすることが大事です。具体的には食品はきちんと蓋の出来る容器で保管する、これはペットフードも同様でしょう。また生ゴミは蓋付きのゴミ箱で保管し、溜め過ぎず毎週ゴミ収集の日に出すことです。

この場合はゴミ袋を蓋つきのゴミ箱に入れて段ボールを片付け、野菜は冷蔵庫へ入れること

1-2. 住み着いているのであれば殺虫剤で駆除する

 しかし、ゴキブリが既に家の中へ住み着いている場合は駆除が必要です。このうち目の前にいるものはハエ叩きのようなもので直接やっつけてもよいですし、スプレー式の殺虫剤などで駆除してもよいでしょう。また押し入れの奥や倉庫の中ではゴキブリに食べさせて駆除する毒餌を置いておきます。毒餌には種類がいくつかありますが、その中からクロゴキブリによく効く毒餌を選びましょう。

家の中に出たゴキブリはスプレー式の殺虫剤で速やかに駆除(火気に注意)
クロゴキブリが好む毒餌の配置

2. 意外に家の外にも多いので、外の対策もする

2-1. 家の周りは整頓してきれいにする

 さて、家の中で行う対策の次は外の対策です。クロゴキブリは家の外にも生息しており、 それらが家の中へやって来ることが多いのです。では外でクロゴキブリが隠れている場所はどこか。ありがちなのは植木鉢の下や置物の裏の空洞部などです。また壁際に園芸用腐葉土の袋を積み上げてあるところ、枯れ木や枯れ草が放置されている場所もです。他には屋外の物置の下に落ち葉やゴミが溜まっていると住み着くことがあります。これらのうち植木鉢や置物は仕方ないとして、使っていないプランターや雑多なものは片づけておきましょう。また屋外の物置の下に落ち葉やゴミが溜まっていれば掻き出しておき、ゴキブリが隠れにくい状態にしておきましょう。

この写真では手前にある割れた植木鉢を撤去し、落ち葉も定期的に掃除して片づけておく
物置の下が荒れていると、写真のようにクロゴキブリが住み着くこともある

2-2. クロゴキブリを外にいるうちに駆除する方法

 上で述べた整理整頓をすれば外回りの対策は十分でしょう。ただ森や川、公園が近くにあり、クロゴキブリが元々家の周りに多い立地条件の場合は少し大掛かりですが、水で薄めて散布する殺虫剤などを利用してもよいと思います。散布する場所は家の犬走り(コンクリート張りの部分のこと)や玄関前を中心に、上で述べた物置の下の隙間などです。他には傘立てや植木鉢が置かれているところの地面なども当てはまります。それと大事なのが家の外にゴミ箱を置いている場合です。たとえ蓋をしていてもニオイに反応するのかクロゴキブリが集まってきます。そこでゴミ箱を置いている場所の周りにも散布するとよいでしょう。

 水で薄めて利用する殺虫剤の利用が費用・手間の面で難しい場合、毒餌の設置で代用します。ペットや野生動物による誤食を避けるため、上の例でいうところの物置の下やゴミ箱の下といった物陰に設置することが基本です。また置いた場所と個数を覚えておくと、回収・廃棄する時に便利です。

犬走りへの殺虫剤散布の見本
この場合は植木鉢を移動させてから殺虫剤を散布し、しばらくしてから植木鉢を元の位置に戻す

3. まとめ

 このように食品をきちんと片づける、生ゴミは蓋つきのゴミ箱で保管する、そして家の周りはきちんと整理整頓をすることが基本です。害虫駆除といえば殺虫剤散布が連想されるのですが、まずはゴキブリの場合もそうですが、その駆除対象となる虫が住み着きにくい環境を整えることが大事です。そこにゴキブリが潜みそうな場所へ殺虫剤を撒く、毒餌を置くといった対策で多くの場合は改善します。それでもうまくいかない、駆除方法に不明な点などがございましたら弊社までお問い合わせいただければと思います。