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一般家庭のゴキブリ駆除で注意すべき場所(2)

前回は一般家庭でゴキブリを駆除する際に、どんな場所に注意すべきかという
基本を解説しました。
今回は少し応用で、アパートの特殊なケースについて対策と併せて紹介します。
どこからやって来たのか分からないゴキブリたち

3階なのに廊下でゴキブリを見かける

これは実際に筆者が3階建てのアパートで経験したクロゴキブリのお話です。
クロゴキブリは屋外で生息することが多く、それらが偶然やって来るとしたら、
1階の廊下やベランダ、そして1階の家の中が最多と想像しがちです。
ところが、3階の廊下にも突如としてクロゴキブリが姿を見せることがあります。
見かける頻度は月に1回程度であり、たまたま外壁を這い上がってやって来たと
いうには多くて不自然です。
クスノキの洞に産み付けられたクロゴキブリの卵の残骸

木から飛んできた可能性

単純に考えると、アパートの周りに植えられた木から飛んできた説が有力です。
クロゴキブリはカブトムシのように「空中を長い時間自由に飛び回ること」は
できませんが、高い所から滑空するくらいはできます。
こう書くと、ゴキブリが木の上で暮らしているイメージが湧かないという方も
おられると思います。
しかし、実際には木の洞の中で卵が見つかったり、樹皮の裏に幼虫や成虫が
隠れていたりするなど、意外と木の周りにいることも多いのです。
様子を観察していると、排水口へ逃げ込むことがほとんど

廊下の排水口および配管を移動している可能性

しかし、飛翔できないはずの幼虫が1~2匹まとまって出現している場合、
他の可能性を考える必要があります。
疑うべきは廊下の端にある排水溝で、そこに一定間隔で設けられた排水口と
そこにつながる配管に注目します。
暗くて適度な湿気もあり、人の目につかないことからも、ゴキブリにとって
安全な隠れ家、そして通り道になります。
ゴキブリからすると、安全な通り道となる配管
また、配管を通れば1階や2階、そして3階まで誰にも気づかれないまま自由に
行き来することができます。
つまり今回のケースは突如3階にワープしてきたのではなく、今まで配管の中に
潜んでいたものが、たまたま排水口から外へ出てきて、そして見つかったという
ことなのでしょう。
雨水桝もクロゴキブリの潜伏場所として重要
なお、その配管が最終的にどこへ繋がっているかを辿れば、屋外の雨水桝に
行き着くこともあります。
前回もご紹介した通り、雨水桝にもクロゴキブリが潜んでいることがあり、
元々ここにいたものが配管を通って各階を行き来しているものと考えられます。
なお、この場合は配管内部の隅々まで殺虫剤を散布することが難しいため、
配管から出てきたゴキブリを都度駆除するような作戦が効果的でしょう。
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