A. そうではありません。そもそも餌を置くことに意味があるかどうかも含めて解説しましょう。
1-1.これがあれば、ネズミ捕りを開いたり閉じたりしやすくなる
スペーサーとは「物と物の間にスペースを作るもの」の意味です。ネズミ捕りの場合は「粘着糊同士が引っ付かないようにするもの」と考えればよいでしょう。もう少し詳しく言えば、多くのネズミ捕りは「本のように開いたり閉じたり」できる構造になっています。そして粘着糊が塗られているのは内側なので「使う時は開く」、「しまう時は閉じる」というのが基本的な使い方です。ここまで書くともうお分かりかと思いますが、「閉じた状態から開く」という過程で「内側に塗布された粘着糊同士が引っ付いてしまい開きにくくなる」場合があります。そこで「粘着糊が互いに引っ付かないような空間を確保する目的」でスペーサーを配置している訳です。
1-2.スペーサーが無くても使用はできる
仮にスペーサーが外れてしまっても、少し開きにくくなるだけで使用はできます。加えて、外れたとしても再度粘着面の同じ場所に貼り直してあげればよいのです。筆者も(珍しいケースでしたが)ネズミ捕りを開いた時に「周りの粘着糊と一緒にスペーサーがニュ~ッと取れた」経験があります。この時も元の場所に貼り直し、そのまま問題無く使用した記憶があります。
2-1.そもそもネズミはどのように捕獲されるのか?
さて、そのお話の延長で「ネズミ捕りの上に餌を置く必要はあるか?」についても解説しましょう。入社当時の私もそうでしたが、ゴキブリホイホイと同じ理屈で「餌を置いた方がよく捕獲できる」と思われる方が多いです。しかし現場で様子を見ると、ネズミが「走っている時」や「棚の上・配管周りから飛び降りた時」に捕獲されることが大半で、餌の有無は関係が無い印象を受けます。つまり「餌を置くかどうか」よりも「ネズミの通り道を予測してネズミ捕りを設置」する方が使用上重要と言えます。
2-2.餌を置くことについての見解
また、「ネズミ捕りの上に餌を置くこと」で「むしろ捕獲されにくくなること」も懸念されます。特に用心深いクマネズミが相手だと注意が必要でしょう。その理由として、彼らが「餌の手前でにおいを嗅ぎ回る」ことが多く、その途中で「ネズミ捕りの粘着糊がヒゲなどに付着」すれば「この先に何か変な物がある」と覚られてしまう可能性があるためです。よって筆者は基本的にネズミ捕りの上には餌を置きませんし、他の方にもあまりお勧めしていません。しかし矛盾するようですが、ハツカネズミにはこれが有効だった時もありました。詳しくは別記事でご紹介しますが、時にはネズミの種類や現場の状況に合わせて対策を柔軟に変える必要もあるのでしょう。
以上、ネズミ捕りの中にある「パッキンの正体・役割」と「そもそもネズミ捕りの上に餌を置く必要はあるか?」について解説しました。他にも疑問点などがあれば、弊社スタッフまでご相談いただければと思います。 なお、お問い合わせはメール・お電話のどちらでも受け付けております。お気軽にご相談ください。